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MAGICALU抱っこ紐ができるまで 1

執筆者の写真: まじかる先生まじかる先生

更新日:2019年7月19日

はじめまして、MAGICALU抱っこ紐の産みの親、岡田愛弓と申します。


私は、出産するまでは形成外科医として病院勤務する医師でした。


出産を機に転居などもあり、いったん仕事をやめて子育てに専念。


子どもと1日中一緒にいれる幸せと同時に、精神的にも肉体的に大変なことを初めて知り、


世の中のママたちの苦労を実感しました。


そんな育児生活では、数ある育児アイテムが役立っていたのですが、抱っこ紐だけは満足できるものに出会えませんでした。


ベルト型の抱っこ紐(ergo babyなど)は、6㎏の子どもを1時間抱っこしただけで腰痛がでてつらいし、肩から首にかけての痛みがでたため、おでかけが苦痛になりました。


スリングが一番楽だったのですが、子どもが大きくなるにつれて片方の肩への負担がつらくなってきました。


そこで、なぜ痛みが出るのかを独自に考察したところ、3つのポイントを見つけました。



その1 重心が低いこと


赤ちゃんのお尻が抱っこする人の臍くらいにくると、重心よりも高い位置で赤ちゃんを抱っこできるので軽く感じます。


これは例えば、10㎏のお米を胸のあたりで持つほうが、お腹で持つより軽く感じるのと一緒です。


小柄で細い日本人女性がベルト型抱っこ紐を装着すると、いくら紐を調整してもベルトの位置が高く維持できなくてどうしても赤ちゃんのお尻は臍より下にきます。


実際、よく街で見かけるエルゴなどの海外製のベルト型抱っこ紐を装着しているお母さんは、大抵赤ちゃんが低い位置でぶらさげられたようになっています。


これでは、赤ちゃんもママもつらいはずです。



その2 抱っこ紐の接触する面積が小さい


物理的に、同じ重さでも接触面積が大きいほどかかる圧は小さくなります。


ですから、抱っこ紐とママの接触面積が大きいほど、かかる圧が小さくなります。


つまり痛みが出にくいでのす。


ベルト型の抱っこ紐は、抱っこ紐の接触面積は肩付近の一部と腰のみです。


それでは、赤ちゃんの体重の半分が腰のベルト部分にかかるわけで、小柄な女性であれば男性よりもさらに圧が大きくなり痛みが出やすくなります。


背中全体で支えられるのが一番軽く感じる形なのです。



その3 赤ちゃんとの接触面積が小さい


赤ちゃんとママがぴったり接触しているほど、歩いたときなどに楽に感じます。


しかし、多くの抱っこ紐は、赤ちゃんを支える部分が股の長さはほとんど調整できません。


月齢が小さいときは膝までカバーできたとしても、体重8㎏くらいになると膝までしっかり覆えておらず、股関節あたりまでしか布がないものが多いです。


そうなると、赤ちゃんの膝はだらんと下がり、お母さんのお腹にぴったりくっつきません。


ですから、余計に重く感じるのです。


また、動物にはしがみつく力が備わっており、本来はママにしがみつくように抱っこされるほうが、赤ちゃんにとっても楽な姿勢なのです。



これらの、要素を考えると、たどり着いたのが日本に古くからある兵児帯の構造でした。


兵児帯はもともと男性の浴衣の帯で1本の長い幅広の布です。


これをママの体にクロスさせながら巻いていき赤ちゃんを中に入れるものです。


伸縮性のある布を用いて海外ではベビーラップとして広がってもいます。


これは、構造としてはとても理想なのですが、なにせ5mほどもある布なので、セットするのが手間なのと、外出先での出し入れが不便なのです。


そこで、この兵児帯の構造を保ちながら、簡単に着脱できるものが欲しいと考え、作ることにしました。


つづく




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